マクドナルドマジックの思い出。
今日は、クルーあるあるを一つ言いたいと思います。
それは「マクドナルドにはマクドナルドマジックがある」ということ。
このマジックという言葉の意味で言うと、
例えばスイングマネージャーやスターに昇格したときに制服が変わりますが、
この「制服を着ることによる意識の醸成」という面もあります。
でも、今日のマジックのおはなしは、「クルー同士のカップルが多い」、
ということについて綴ります。
AさんとBさんが付き合ってて、しばらくして別れたと思ったら、
今度はAさんとCさんが付き合った!
Bさんも今度はDさんと付き合ってる!
なんて話も、マクドナルドあるある。
内緒で付き合うよりも、公言するケースの方が圧倒的に多い。
先輩クルーのカップルが、素人出演番組に出ていたということもありました(笑)
仮に、秘密裏に付き合っていても、希望スケジュールの出し方が
カップルで一緒すぎてマネージャーにバレることもしばしば。
もう、仕事中の態度でバレバレ、なんてこともしょっちゅうありました。
クルー同士だけではなく、クルーとマネージャーのカップルもあるわけで。
頑なにバレないようにふるまっているのがほほえましいといった感じ(笑)
恋愛話が多いのは、マクドナルドの特徴と言っても過言ではない!
そういえば僕も、4組のクルー同士の結婚式に呼んでいただきました。
本当に、惚れた腫れたの話が多かったなぁと懐かしむ、
昔の思い出でした。
マックシェイクの思い出。
マクドナルドにメイド・フォー・ユーシステムが導入され、
厨房内の機器類は大幅に変わったようですね。
カウンターやドライブスルーの機器類も、
どんどんと便利に高性能に進化していると思います。
マックシェイクを作る機械である「シェイクマシン」も、
随分と高性能になっていきましたね。
マックシェイクは、シェイクの元となるシェイクミックスを凍らせて、
シャーベット状になったミックスとシロップを混ぜ合わせたもの。
ちょうど、マシンからシェイクが出てくる口元で、
シェイクミックスとシロップが混ざるわけですね。
1990年頃のマックシェイクは
「ストロベリー、チョコレート、バニラ、ヨーグルト」の
4種類のフレーバーがありましたが、
当時のシェイクマシンは、フレーバーごとに排出口があったので、
シェイクを出すレバーも4本ありました。
シェイクは乳製品のため、雑菌がわきやすく、
マシンも毎日のように分解して洗浄。
そのため、シェイクミックスのウエイスト(廃棄)も毎日のように発生。
ところが、年数を経るごとに機械の性能が上がり、
自動でミックスを熱殺菌する装置が追加されたり、
1つの排出口で4種のフレーバーを出せるようになったり、
カップに入ったシェイクの温度を感知して、レバーが自動で止まるようになったり。
本当に便利になっていきました。
オススメは、マックフライポテトとチョコシェイクの組み合わせ。
最高においしいですよ。一度お試しあれ。
と書いてたら久々に飲みたくなったなぁと思う、昔の思い出でした。
チキンマックナゲットの思い出。
マクドナルドの「サイドメニュー」と言うと、
マックフライポテトがナンバーワンですよね。
30年前のマクドナルドでは、
「サイドメニュー」とは呼ばず、「デザート」という位置づけでした。
いつの間に、サイドメニューと呼ぶようになったのだろう。
そして、ポテトに次ぐ人気の商品が「チキンマックナゲット」。
通称「ナゲット」。
このナゲットもサイドメニューでは上位に入る人気商品。
現在は、5ピース、15ピースの2種類ですが、
1990年頃は、5個入り、9個入り、16個入りの3種類で販売。
「ピース」ではなく「個入り」と表現していました。
コーリングは、
5個入り ⇒ナゲット。
9個入り ⇒M(エム)ナゲット。 隠語ではムナゲ。
16個入り⇒ファミリー。
ナゲットソースは、今でも定番のバーベキューとマスタードがあり、
甘口(バーベキューソース)、辛口(マスタードソース)と表現しており、
もう一つの甘口・辛口で、スイート&サワーソース、カレーソースも
存在していました。
現在では紙製のボックスに入っていますが、
昔は発泡スチロール製の入れ物。
ふたを開けると、隅っこにソースを入れる部分があり、
ソース自体はチューブ状で提供していました。
じゃあ、バーベキューとマスタードの両方を頼んだ場合はどうするのかって?
その場合は「ソーサー」と言われる、
ナゲットソースを入れるプラスチック製の容器を提供していました。
オペレーションはと言うと、ナゲットは冷凍状態で保管されており、
プロダクションコーラー(通称:P/C)からのオーダーに従って、
調理していきます。
冷凍状態の袋に約50個が入っており、
「ニューオーダー 1ナゲット」で5ピース。
「ニューオーダー 5ナゲット」で25ピースをバスケットに入れて、
フライヤーで揚げていきます。
尚、ピークの時には25個を数えず、袋の半分くらいを大凡でバスケットに投入。
まぁ、5個単位で売れるとは限らないので、その辺はアバウト。
「ニューオーダー 10ナゲット」の時は、1袋をジャ~っとバスケットに投入。
数えなくていいので楽ですね。
ホールディングタイムは、
ナゲットキャビネット(揚げたナゲットを保管しておく引き出し)内で20分間。
ナゲットボックスに入れてから、
トランスファービン(バーガー類を温めて置く機械)で10分間、
合計30分間でした。
ナゲットキャビネットのナゲットをサーブする(ボックスに入れる)時は、
専用のスクープを使わないといけないのですが、
ピークの時は手でやっちまってたな、
と反省する、昔の思い出でした。
ドレスの思い出。
マクドナルドのバーガー類の製造方法は、
今と昔では随分違いますね。
現在のオーダーメイド方式である「メイド・フォー・ユー」システムは、
いわゆる「お客様のオーダーが入ってから製造を始める」というもの。
でも、昔のマクドナルドは「ストック方式」。
売れるであろう商品をあらかじめ製造してストックしておく。
完成して10分以内に販売できなければウエイスト(廃棄)する、というもの。
ただ、メイド・フォー・ユーでもストック方式でも、
あまり変わらないのが「ドレス」。
ドレスとは、バンズにケチャップやソース、
レタスなどの具材を乗せて味付けすること。
↓↓ マクドナルド 用語集「さ行・た行」はコチラ
ストック方式の場合は、バーガー類を一度に大量に製造することもしばしば。
そのため、縦4列、横3列、合計12個に並べられたレギュラーバンズを、
一気にドレスしていく、という工程がありました。
まずは「ディスペンサー」と呼ばれる、
逆三角形の入れ物に取っ手がついた器具を使って、
トーストされたレギュラーバンズのクラウンに、マスタードを打っていきます。
(今はプラスチック製ですが、昔はステンレス製。重かった:汗)
この「打つ」というのは、ディスペンサーの側面に左手を添えて、
右手はグリップを握り、親指でノズルを押す(右利きの場合ですが)と、
ディスペンサーの下からマスタードやケチャップが出る。
この作業を「マスタードを打つ」「ケチャップを打つ」という訳です。
「ショットする」とも言います。
まずは、1インチの高さからマスタードを打つ。そしてケチャップを打つ。
そうすると、五弁の花びらのような形でマスタードやケチャップが出てくるわけです。
そして、オニオンをバンズの中央に乗せる。
次にピクルスを乗せる。バーガー類の場合は1枚。ダブルの時は2枚。
最後にバンズに乗せるチーズの枚数を、プロダクションコーラー(P/C)に確認する。
ドレス:「コーラー チーズオン 12(トゥエルブ)バーガー プリーズ」
P/C:「チーズオン 8(エイト) プリーズ」
ドレス:「8 サンキュー」
というやり取りを行い、指示された枚数のチーズをバンズに乗せる。
ここまでがドレスの作業です。
特に、休日の昼ピーク時は、次々にオーダーが入ってくるので、
モタモタしてられない。
12バーガーのドレスとなると、
マスタードは2.5秒、ケチャップは3.5秒ほどで打たないと間に合わない。
しかも、バンズの中央に正確にショットしないといけないわけですね。
ドピーク(最大のピーク)となると、ドレス専属のポジションが配置されます。
ドレスマンは、厨房の真ん中にあるプレパレーションテーブルが主戦場。
バーガーやビッグマックのドレスを中心に、てりやきマックバーガーのフォロー、
フライヤー(フィレオフィッシュなど)のフォローを行います。
地味なポジションですが、なかなか熟練した技がいるわけですね。
今では、オーダーメイドなのでそこまでの技術は必要ないと思うのですが、
久々に正確で素早いドレスがやってみたいなぁと思う、
昔の思い出でした。
オーダーボード激突事件の思い出。
僕がSW-MGR(スイングマネージャー)になりたての頃のおはなし。
フロアマネージャーが僕一人だけだったアイドルタイムでの出来事。
突然、窓の外から「キキキキーーー!!」「ガシャーーン!」という
けたたましい音がしました。
「なに?なに?」と思い、ドライブスルーのウインドウから
駐車場の方を覗くと、1台のスポーツカーが、タイヤ煙をあげながら
猛スピードで走り去っていくではありませんか。
そうなんです。
どうやらこのスポーツカー、ドライブスルーレーンに侵入しようとしたところ、
勢いあまってオーダーボードに激突し、そのまま逃走を図ったわけです。
衝撃音を聞きつけた社員マネージャーのKさんが慌てて厨房にやってきました。
Kさん「おい綾園、車見たか?」
僕「あ、はい、確かス〇プラだったような・・・」
Kさん「車のナンバー確認した?」
僕「い、いえ、見てませんでした・・・」
Kさん「お前、マネージャーのくせに何してんねん!!」
と、Kさん激怒。
僕は事故の瞬間、野次馬根性で「わお、事故事故~!」と思っていただけで、
ぶつけた車の車種やナンバーなどの情報を把握する、という、
マネージャーにとって重要なことを失念していたわけです。
失念していたというより、頭になかった・・・。
幸いにも、オーダーボードのマイクやスピーカーは生きていたので、
しばらくして通常営業は再開しましたが、
スイングマネージャーになりたてで、ユニフォームも変わり、
調子に乗っていた僕に天罰が下ったのかなぁと思う、
昔の苦い思い出でした。
SW-Tの思い出。
高校3年生の秋ごろ。
高校を卒業しても、
このままマクドナルドのアルバイトを続けようと決意しました。
そして、目標の一つが「スイングマネージャー」に昇格すること。
「万年Cクルー」と呼ばれた僕が、スイングマネージャーだなんて。
↓↓ 万年Cクルーと呼ばれたエピソードはコチラ
当時、大変お世話になった1stアシスタントマネージャーのKさんが
僕の背中を押してくれました。
スイングマネージャーと言えども、制服は社員マネージャーと同じ。
お客様から見れば、社員やアルバイトなど関係なくマネージャーです。
ですからクルー時代と違って、技能や知識だけでなく、
自身のモラルや感情など、コントロールしなければいけないんですね。
マネージャーのKさんからは
「スイングになるのであれば、クルーと一線を引きなさい」と教えられました。
それだけ、店舗を守る一人であるという、責任を持たなければいけないんだな、
と感じた瞬間でした。
モラルの悪い僕に、そんなことができるのか、という不安もありましたが・・・。
そしていよいよ、
「SMTP(スイングマネージャートレーニングプログラム)という教本を頂き、
スイングマネージャーを目指してトレーニング開始。
スイングマネージャーともなると、クローズ以外の時間帯は、
社員マネージャーがいなくても自分が中心となってお店を円滑に回すことが
重要任務なわけです。
全てのポジションに長けておかねばならず、
クレームの対応や緊急事態が発生したときに、
速やかに冷静に対応する力が求められるわけです。
そして3~4か月かけて、SMTPの項目をクリアしていき、
晴れて、スイングマネージャーに昇格することが出来ました。←パチパチ
はじめてマネージャーのユニフォームを着た日。
期待と緊張の両方が入り交ざった心境。
さあ頑張るぞと、気持ち改め仕事をしました。
でも、制服効果ってすごいですね。
マネージャーのユニフォームを着ただけで、
仕事に対する考え方や行動が、クルー時代と全然違うんです。
責任感というか、使命感というか。
こういうところが、マクドナルドマジックなんだな、
としみじみ感じた昔の思い出でした。
消えた思い出。
今日の思い出は番外編。
現在の話になります。
僕がマクドナルドでアルバイトをしていたのが、1990年頃。
今から30年ほど前になります。
その店舗のグランドオープンは、
1987年~1988年頃だったと記憶しています。
まだ昭和の時代ですね。
幹線道路沿いにある、ドライブスルー付き独立店舗。
僕が通っていた学校の教室の窓から遠くに見える、
くるくる回るポール看板を眺めていた記憶があります。
先日、この店舗の横を車で通りかかったら、
何と更地になっていました。
どうやら、建て替えをするそうで、
数ヵ月後にグランドオープンするんだとか。
築30年を超えてくると、
老朽化の問題なのか、戦略の問題なのか、
はたまた集客キャパシティの問題なのか、
一旦建屋を取り壊して、建て替えをしている店舗を
見かけるようになりましたね。
僕がアルバイトをしていた店舗も、
建て替えの波にのまれてしまいました。
更地になった跡地を見て、寂しくもあり、悲しくもあり。
クルー時代のたくさんの思い出が詰まった店舗は、
今はもうありません。
店舗は消えて無くなっても、思い出はしっかり残っていますから
そんな旧店舗に感謝感謝ですね。