ドレスの思い出。
マクドナルドのバーガー類の製造方法は、
今と昔では随分違いますね。
現在のオーダーメイド方式である「メイド・フォー・ユー」システムは、
いわゆる「お客様のオーダーが入ってから製造を始める」というもの。
でも、昔のマクドナルドは「ストック方式」。
売れるであろう商品をあらかじめ製造してストックしておく。
完成して10分以内に販売できなければウエイスト(廃棄)する、というもの。
ただ、メイド・フォー・ユーでもストック方式でも、
あまり変わらないのが「ドレス」。
ドレスとは、バンズにケチャップやソース、
レタスなどの具材を乗せて味付けすること。
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ストック方式の場合は、バーガー類を一度に大量に製造することもしばしば。
そのため、縦4列、横3列、合計12個に並べられたレギュラーバンズを、
一気にドレスしていく、という工程がありました。
まずは「ディスペンサー」と呼ばれる、
逆三角形の入れ物に取っ手がついた器具を使って、
トーストされたレギュラーバンズのクラウンに、マスタードを打っていきます。
(今はプラスチック製ですが、昔はステンレス製。重かった:汗)
この「打つ」というのは、ディスペンサーの側面に左手を添えて、
右手はグリップを握り、親指でノズルを押す(右利きの場合ですが)と、
ディスペンサーの下からマスタードやケチャップが出る。
この作業を「マスタードを打つ」「ケチャップを打つ」という訳です。
「ショットする」とも言います。
まずは、1インチの高さからマスタードを打つ。そしてケチャップを打つ。
そうすると、五弁の花びらのような形でマスタードやケチャップが出てくるわけです。
そして、オニオンをバンズの中央に乗せる。
次にピクルスを乗せる。バーガー類の場合は1枚。ダブルの時は2枚。
最後にバンズに乗せるチーズの枚数を、プロダクションコーラー(P/C)に確認する。
ドレス:「コーラー チーズオン 12(トゥエルブ)バーガー プリーズ」
P/C:「チーズオン 8(エイト) プリーズ」
ドレス:「8 サンキュー」
というやり取りを行い、指示された枚数のチーズをバンズに乗せる。
ここまでがドレスの作業です。
特に、休日の昼ピーク時は、次々にオーダーが入ってくるので、
モタモタしてられない。
12バーガーのドレスとなると、
マスタードは2.5秒、ケチャップは3.5秒ほどで打たないと間に合わない。
しかも、バンズの中央に正確にショットしないといけないわけですね。
ドピーク(最大のピーク)となると、ドレス専属のポジションが配置されます。
ドレスマンは、厨房の真ん中にあるプレパレーションテーブルが主戦場。
バーガーやビッグマックのドレスを中心に、てりやきマックバーガーのフォロー、
フライヤー(フィレオフィッシュなど)のフォローを行います。
地味なポジションですが、なかなか熟練した技がいるわけですね。
今では、オーダーメイドなのでそこまでの技術は必要ないと思うのですが、
久々に正確で素早いドレスがやってみたいなぁと思う、
昔の思い出でした。