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~マクドナルドの思い出~

1990年代、マクドナルドクルー時代の思い出を綴らせていただきます。

クルーの花形「グリル&バンマン」。

マックでアルバイトをしていた1990年ごろ。

今の「メイド・フォー・ユー」システムと違って、ストック方式だったころ。

オペレーション(厨房)クルーの花形と言えば「グリル&バンマン」でした。

 

「バンマン」とは、バンズを焼成する係のこと。

パンを焼く係が花形??

 

そうなんです。たかだかパン焼き係なのですが、

非常にテクニックが必要なポジション。

ピーク時には、1袋に12個入ったレギュラーバンズを一気に焼くわけです。

袋から1個ずつバンズを取り出していたら時間がかかってしまうため、

袋を破って一気にトレイに乗せる技術が必要なんです。

 

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出典:日本マクドナルド

 

そして素早くトースターに出し入れする技術、

ミートがリムーブ(焼成したミートをバンズに乗せるの意)されたバンズの上に

ヒール(バンズの下側)を12個一気に乗せる技術。

これがピーク時にできるようになると、かなりの猛者なわけです。

 

そして、もう一つの花形ポジションである「グリル」。

ハンバーガーやビッグマックなどのミートを焼く係です。

現在はクラムシェルグリルと言って、鉄板の上に冷凍ミートパティを並べて、

重たい天板で挟めば、両面が焼ける、というグリルになっています。

僕が現役の時には、既に存在しました。

そのクラムシェルグリルが導入される前は、いわゆる「素焼き」というやつです。

この、ミートを素焼きするテクニックは、一筋縄ではいきません。

 

まずは冷凍ミートパティを鉄板に並べる。一度のオーダーで最大12枚。

並べ方を間違えると鉄板からはみ出てしまい12枚並ばない。

均等に焼くためには素早い動きが必要。

 

20秒後、シアースパチュラでシアー。

シアーとは、ミートに火が通りやすくするためにギュッと押さえつけることです。

そしてターン。スパチュラ(コテのようなもの)で

ミートを1枚1枚ひっくり返します。

この時、ミートとスパチュラの角度が大事。

角度が悪かったり、力の入れ加減が悪いと、

ミートがぐしゃっとブロークン(潰れる)してしまうんです。

 

グリルの猛者は、このスパチュラを大事に使う。

ミートをきれいにターンしてリムーブ出来るよう、

スパチュラの研磨にも余念がありません。

 

もう一点、ミートターンはスピードが大事。

1枚1枚を素早くターンしないと焦げてしまうからです。

 

焼きあがれば、ミートを2枚同時にバンズの上に並べていきます。

この時、正確にきれいに素早く並べる、鍛錬された技術が必要なんです。

ミートをターンし終わると、すぐさま隣の列にミートを並べて焼き始める、

という工程をストップがかかるまで繰り返す「ターンレイ」オーダーが

回せる人は、超上級クルーでした。

 

クラムシェルグリルが導入された時、

一工程で両面焼けるというシステムは非常に画期的で時間短縮になりましたが、

シアー&ターンが出来なくなり、とても寂しい気持ちになった、

昔々の思い出でした。