お昼のカツカレーの思い出。
1992年の春。
マクドナルドでは、ライスメニュー第2弾となる
「お昼のカツカレー」が販売されました。
らっきょう、福神漬け、チーズの薬味が付いて、価格は650円。
当時のクルーたちが何よりビックリしたのは、
「厨房内で米を炊く」ということ。
前回のライスメニュー「マックチャオ」の場合は、
ライス(チャーハン)は冷凍状態で納品されていましたから、
管理もそれなりに簡単でした。
しかし「お昼のカツカレー」の場合は、白米が納品されてきて、
それを厨房の中で炊き上げる、という、
何ともハンバーガー屋さんにとっては似つかわしくない!
お昼のカツカレーがスタートする数日前に、店舗に大きな機械が納品されました。
一つは「洗米機」。もう一つは「炊飯器」。
洗米機はシンクに設置されたのですが、
実際に洗米機を使って米を洗うっていうんだから、
おいおい何が始まるねん、と厨房は大騒ぎ。
洗い終わった白米は、20分間浸漬(水に浸す)させる徹底ぶり。
そして、炊飯器で炊く前に、米の中に液体をぽたりとたらします。
この液体、記憶が定かではないのですが、当時のマネージャーからは
「炊いた後に米が黄色く変色しにくくなる」と説明を聞いていました。
そして、1升炊きくらいの大きさの炊飯器で白米を炊くわけです。
で、カツの方は、フライヤーで揚げて、
揚げ上がったかつパティはナゲットストッカーで保温。
カレールゥはと言うと、パウチされたカレールーをウォーマーで湯煎。
オーダーが入れば、専用の容器に炊き上がったご飯を注ぎ、
ご飯の上にかつパティをのせて、蓋をする。
カレールゥと薬味を添えて、出来上がり。
ん~、ライスバーガーとかではなくてカレーライスってことは、
完全な「飯」やね。
さて、このカツカレーで大きな問題が2つありました。
一つ目の問題は、炊いた白米のストックが無くなると、
半端ないウエイトとなってしまうこと。
騒然ながら、米を炊くのに時間がかかるわけですから、
一度に何合炊くかは非常に難しい選択。
二つ目の問題は、余った白米をウエイスト(廃棄)するのに、抵抗があったこと。
お昼のカツカレーというくらいなので、
主に主婦さんクルーがインしているときに販売していたわけです。
ホールディングタイムアウトしたご飯はウエイストしなければいけませんが、
そこはさすがに主婦さんたち。
「米を捨てるのはイヤ!」と断固拒否されてしまいました。
なので、ご飯をウエイストするのはマネージャーの役目となり、
マネージャーも渋々ウエイストすることに。
炊きすぎてもダメ、少な過ぎてもダメ。
とにかくコントロールが難しかったなぁという
昔の思い出でした。