常連クレーマー事件の思い出。
本来、あってはいけないのですが、
マクドナルドでは、お客様からお叱りを受けることがあります。
特に、商品の渡し忘れや、我々のサービス不良、対応の不備などがその要因。
そのようなお電話などを頂いた時、
僕たちは「サービスコールと呼びなさい」と指導を受けたものですが、
隠語では「クレーム」と呼びます。
クレームの中でも、商品の渡し忘れが特に多かったかなと。
これは、渡し忘れたこと自体に気づいていない場合と、
「あぁ、しまったーー!」というように気づいていた場合があります。
気づいていた場合は、数分後にかかってくるであろうクレームの電話にドキドキ。
「あぁ、やっぱり・・・ごめんなさい・・・」という気持ちになります。
僕も何度か、入れ忘れや渡し忘れをしたことがありますし、
スイングマネージャーになってからは、
入れ忘れた商品をお客様のもとへお届けにあがったことがありますが、
同じお客様に二度も渡し忘れてしまうことありまして。
「お前、またか!」と叱られることもしばしば(涙)
これも、マクドナルドあるあるの一つですね(反省)
僕たちのミスにより、お客様に多大なご迷惑をお掛けしてしまうことは、
クルー全員が肝に銘じております。
クレームを言ってくださることで、
更に高いクオリティやサービスを提供できることに繋がるわけですが、
中には、サイレントコンプレーナー(クレームを言わないお客様)も
いらっしゃいます。
不満を感じてもクレームとして伝えず、関わりをやめてしまうお客様。
僕たちは、自分たちの悪い点に気づかず、
結果的に多くのお客様に不快感を与えてしまうことにもなりかねないわけですね。
ですから、クレームを言って頂く事は、お店にとってはとても大事なことなのです!
そうした僕たちのミスや対応不良によってクレームに発展する場合もあるのですが、
中にはクレームを言うことを趣味のようにしている人もいるわけでして。
いわゆる「クレーマー」ですね。
そんなクレーマーの中でも常連さんのような人がいました。
その常連クレーマーは、グリルオーダーをしてくるんですよ。
グリルオーダーとは、例えばハンバーガーのピクルス抜きとか、
フィレオフィッシュのチーズ抜きという、特別なオーダーの事でして。
その日も、ドライブスルーから「チーズバーガー2個。1個をオニオン抜きで」
というオーダー。
早速、P/Cがニューオーダーを入れます。
P/C:「グリルオーダー 1 バーガープリーズ。オニオンカット」
ドレス:「サンキュー。チーズオン 1 バーガープリーズ」
P/C:「チーズオン 1プリーズ」
ドレス:「1 サンキュー」
P/Cとドレスマンのやり取りはこんな感じですね。
つまり、「グリルオーダーのチーズバーガー1個はオニオンカットで」ということ。
そして、オニオン抜きのチーズバーガーをアップ。
ランナーは、普通のチーズバーガー1個と、
グリルオーダーのチーズバーガー1個を丁寧に袋詰めして、
ドライブスルーの窓口でサーブ。
当然ながらこの時、このお客さんが常連クレーマーだとは露知らず。
数分後、常連クレーマーがチーズバーガーを手に、
すごい勢いでカウンターに戻ってきて、
「俺、オニオン抜き頼んだのにオニオン入ってるやんけーー!!」との怒号。
そして、対応したアシスタントマネージャーKさんの顔めがけて、
チーズバーガーをグシャ!
カウンター周りは一瞬にして凍り付いてしまいました。
その時、バックヤードからさっそうと現れたT店長。
その堂々とした歩き方は「よっ、さすがはシニア店長!」という貫禄。
T店長は、最近になってウチの店に異動してこられたばかりなのですが、
そのT店長、常連クレーマーに向かって一言。
「まいど。」
ま、まいど!? 店長、知り合い??
そして常連クレーマー、T店長を見るなり「お、おう・・」と勢いが急降下。
すごすごと帰っていきました。
カウンターのみんながほっと一安心している中、
顔中ケチャップだらけになったKマネージャーが哀愁を漂わせて一人棒立ち。
どうやらこの常連クレーマー、
普通のチーズバーガーとオニオン抜きのチーズバーガーを注文し、
オニオンの入った普通のチーズバーガーだけを持ってきて
イチャモンをつけるということを、他の店舗でもやっていたようで。
T店長はキャリアも長く、多くの店舗を経験されているので、
常連クレーマーとは面識があったようです。
T店長、ありがとうございました!
そして犠牲になったKマネージャー、申し訳ねーっす(汗)
チーズバーガーを顔に投げつけられるのはイヤだなぁ、
と感じた、昔の思い出でした。